だから早く君だけの僕になれ

ジャニーズとハロプロ

関ジャニ∞の3人の主演舞台を観た

 

有り難すぎるご縁がありまして関ジャニ∞の3人がそれぞれ主演を務める舞台を3本、ここ1週間で観ることができたので自分用の備忘録。と思ったのですが蜘蛛の巣のキスに関しては熱が入りすぎて何を言っているのか自分でもよく分かりません。がっつりネタバレ含みますので観劇を控えている方は注意をお願い致します

 

 

 

 

 

 

 

横山裕主演「上を下へのジレッタ」5/26昼

 

現実離れした美しいお顔をもったジャニーズ事務所のアイドル横山裕くんが、「全てまやかし 全ては虚構」「指が鳴ったら目を開け 望み通りの虚構の世界」と歌う。痺れる。カラフルでポップな舞台の上で、横山くん演じる門前だけが真っ白な肌を黒の衣服で包んだモノクロな存在で、それがより一層"虚構"感を際立たせているようだった。チエとジミーが歌うフェイクスターの曲も、まるで横山くんのことを歌っているかのよう。横山くんなんか本名ではなく芸名でお仕事をしてるわけだし、その時点で既にフェイクだもんね。虚構の天才…本当に、まさに天才…

ソファなどのセットはあるものの、グランドピアノやタンス?テレビ台?とかの大道具がイラストで、漫画から飛び出てきたみたいで可愛い。原作を読まないどころかあらすじすらまともに知らぬまま飛び込んだ劇場だったけれど、歌で分かりやすく説明してくれるからずっと楽しいし、どこからどこまでが"現実"で、どこからどこまでが"ジレッタ"なのか分からなくなるテンポの良さやぶっ飛んだジレッタも楽しかった。

横山くんの高い鼻と絶妙に歪んだ口角が皮肉めいていて、そんな顔つきの門前を中心に舞台全体が風刺のきいたセリフや曲をぐさぐさと投げてくるから身体も心もいっぱいいっぱいになる。わたしが観た5月26日は聖くんの件でなんだかザワザワとしていたのだけど、そんな日に「アイドル」と「大麻(だったかな?麻薬だったかな?)」という単語を並べた曲を歌われてしまってもう、もう!

門前は紛れもなく天才で、でも天才が故に常にひとりぼっち。このひとはきっと誰のことも信用できないし、信用しないからしてもらえないし、リエにあれほど縋るのも好きだからというよりは自分のピースがなくなって自分が完全じゃなくなるのが怖いからなのだろうなあと思った。既に記入済みの離婚届を唐突に突き出すくせに、突き出した相手に「お前の相手は俺じゃなきゃ務まらない」とか言っちゃう門前〜〜〜!!!リエ羨ましい〜〜!!!リエになりたい〜〜〜!!!

ジレッタ楽しい!虚構!妄想!最高!ってやってるうちに、いつの間にかジレッタに飲み込まれていて、気がついたときにはもう遅くて戻れなくて、突然地に足がつかないことに気付いて全身がスッと冷えていく感じ。戻れないから進むしかないけど、進んだ先には破滅しかない。もう飲み込まれるしかない。「つづく」が「終わり」に変わった瞬間、あまりにも恐ろしくて鳥肌が立った。

とっても怖くて、エグくて、でも最高に美しかった。

 

 

 

 

安田章大主演「俺節」5/29夜

 

すごい、やばい。(語彙力の欠落)

安田章大、あんなにすごい武器を隠し持っていたなんて。安田くんがあんな鋭い目をすることも、あんな声で歌うことも、知ってたけど、ぜんぜん知らなかった。安田くんの俺節がわたしのなかの安田くんをとっくり返したし、この安田くんの俺節が世間に伝われば世の中は簡単にとっくり返ると思った。すごい。安田くん、本当にすごい。いちばん最初のほんのわずかの歌声で場内の空気をグッと掴んで、そこから3時間強、舞台を隅から隅まで駆け回って、歌って、叫んで、吠える。自担が世界一誇らしくなった。

魂まるごと捧げるみたいにして3時間半コージとして板の上で生きる安田くんが、わたしは心配だ。そりゃ5kgも痩せちゃうよ。この舞台をこなすうえで必要以上に神経も体力もなにもかもをすり減らしていそうな安田くん。どうか、きちんと食べてきちんと寝て、体にも心にも気を使ってくださいと祈るばかり。それくらいハード。

痩せてひとまわり小さくなって、顎はシュンと尖っていて、そんなコージが東京に怯えて小動物のように大きな目をキョロキョロさせたり、落ち込んだり、へへって可愛く笑ったりするから軽率に母性が大爆発した。それなのにテレサとのキスシーン、ベッドシーンで露わにした太腿やテレサをぐっと支える腕は太くて力強くて頼もしくて。

自分の夢とオキナワとの友情、ふたつを天秤にかけて泣く泣く夢を選ぶコージを見て、安田くんもこういう風にアイドルとして生きるうえでいろいろなものを諦めてきたのだろうなと苦しくなったり、重荷になりたくない・テレサのためでなくコージ自身のために生きて欲しいと願うテレサのいじらしさにときめいたり。狭苦しいワンルームの隅で洗濯物を畳みながらコージの帰りを待つテレサの可愛らしさったら!可哀想で!可愛い!(なにも知らないコージの洋服にアイロンしてる手に涙零してそう!ってずっと思いながら見ていた)

オキナワはたぶん底抜けにいいやつで、適度に気が抜けているから強面なのに親しみやすくて。コージは臆病で、それなのに正義感に溢れすぎていて、さらに頑固だから面倒でタチが悪い。そんな不器用で生きるのが下手くそそうなふたりが、たまらなく愛おしかった。

ラストシーン、ギターをかき鳴らして土砂降りの中での俺節。コージがいて、テレサがいる、俺節、お前節。コージはテレサに伝えたくて全身で叫んで、テレサもコージに届けたくて目一杯手を伸ばして、ふたりだけの世界に降る土砂降りの雨はあまりにも壮絶で、目眩がした。エネルギーがすごい。3時間強の舞台の中で、何度も歌って叫んで全身振り回して身体も喉も酷使した挙句の最後の最後で、尋常じゃない量の雨に打たれてびしょびしょのぐしょぐしょになって、それであの声量とあの熱量であのクオリティの歌を毎公演歌っている安田くんの凄さに怯えた。

そしてわたしは、やっぱりどうしても安田くんが心配だ。あのテンションであのハードな舞台を1日に2公演もやるの?死んじゃわない?ご飯、ちゃんと食べてね。

安田くんを知れて、好きになれて、わたしはとても幸せだ。

 

 

 

 

大倉忠義主演「蜘蛛女のキス」6/1昼

 

トーリーだけでいったらこれがいちばん好き。終始色気を撒き散らかす大倉くんにひれ伏す。「紅茶?コーヒー?」「ん…コーヒー…」彼氏〜〜!!!!!!!

社会改革を目指す若き革命家のヴァレンティンと、未成年者への背徳行為で投獄されたモリーナのふたりぼっちの物語は、モリーナがヴァレンティンに昔見た映画の話を聞かせるところから始まった。

社会改革を目指す、つまり自分のためでなく社会のため・ひとのために生きるヴァレンティンに惹かれるモリーナの優しさに、ただただ絶望した。惚れたもんだから仕方ないとはこのことだよね。母親からの差し入れの食料や紅茶をせっせとモリーナに食べさせ飲ませるモリーナ。モリーナはヴァレンティンを陥れ、ヴァレンティンの所属していた組織の情報を聞き出すという任務を刑務所の所長から任命されていたが、ヴァレンティンを好きになったモリーナはいつしかそれができなくなり、彼を庇うようになる。食事に毒を盛られ体調を崩したヴァレンティンの看病をし、下痢をして漏らした大便の処理まで少しも嫌がる様子を見せないどころか積極的にしてくれるモリーナ。所長に呼び出されたモリーナが、母親との面会だとヴァレンティンに伝えるために差し入れとして所長に用意させるものは、どれもヴァレンティンのためのものばかりだった。毒を盛られることを知って「ここの食事はとらないほうがいい」とヴァレンティンに伝え、ふたつ用意させたチキンをふたつともヴァレンティンに与える。情緒不安定なヴァレンティンにきつく当たられ傷をつけられても、モリーナはヴァレンティンの全てを優しく受け入れ、きっといくつもの涙を飲み込んだ。モリーナは、紛れもなくヴァレンティンのことが好きだった。モリーナのヴァレンティンへの感情は、明らかに愛情だった。

ヴァレンティンは、どうだっただろうか。本当に、ふたりは惹かれあっていたのだろうか。

最初にヴァレンティンからモリーナへの好意を感じたのは、夕飯にオートミールを出されたときだった。ふたつ届く夕飯のうち、何故か片方だけ半分しか入っていないオートミールのお皿を、ヴァレンティンはモリーナに押し付ける。食事が届くのが遅い・お腹が空いたと直前まで駄々をこねていたヴァレンティン(お腹が空いたとごねるヴァレンティンはほとんど大倉くんだった)が、「モリーナはオートミールが好きだったろう」、「俺はこれで足りるから」、と。のちにお腹を壊したヴァレンティン(本気でしんどそうなのに、"腸が千切れるかのよう"のくだりにどこからともなく笑いが漏れるグローブ座)は、なかなか体調が戻らず目眩や頭痛に襲われる日のなかで情緒不安定になり、モリーナに手を握ってもらうよう頼む。シャワーを浴びることもできず痒みに襲われる身体を拭いてもらい、「もう痒くないから」と笑顔を溢すヴァレンティン。

ふたりは孤独だった。ただ母親にしか愛されたことのないモリーナはきっと生涯孤独で、しかし組織の情報がバレることを恐れ手紙を書くことさえできないヴァレンティンの孤独は監房の中でのみのことだった。惹かれあってしまうのは、必然のように見えた。寂しかったから、手近な体温が恋しかったのだろう。

体調が悪く目眩がするせいで文字が書けそうにないヴァレンティンは、モリーナに手紙の代筆を頼む。恋人へ「寂しい」「触れたい」「君が僕のことを考えていると思うと心が安らぐ」と語り続けるヴァレンティンのセリフ量、だんだんと憂と熱意を帯びる声色、好きな人の好きな人の話を聞きながらも心を無にするかのようにせっせと手を動かすモリーナ。大倉くんの演技の本気をいちばん感じたのがわたしはこのシーンで、モリーナの切なさも相まっていちばん好きなシーンになった。

所長にフルーツケーキを差し入れさせたモリーナは、ヴァレンティンに嬉しそうにそれを披露する。「なんだと思う?2回で当ててみて」と袋を見せ、匂いを嗅がせ、漸くウキウキと取り出したフルーツケーキと淹れたての紅茶を、機嫌の悪いヴァレンティンはひっくり返しダメにしてしまう。我に返って謝るヴァレンティンの「許して」に、「許すことなどなにもない」「何もなかった」と笑顔を作るモリーナはその直後、所長に呼び出された際にまた、フルーツケーキの差し入れをお願いする。なんて健気。

シクシクと泣くモリーナをヴァレンティンが抱くシーン、直前まで友達だと言っていたのに背中を撫で、目の上の黒子に触れられ、と少しずつ距離を縮めて最後にパチンと空気が変わるのが最高にエッチで、それでもヴァレンティンに抱かれることを望んでいたであろうモリーナと、まるで性欲の捌け口かのようにキスもせずに性急に事を運ぶヴァレンティン(尺の関係もあるだろうが)の差に落ち込む。わたしが。ベッドの軋む音とヴァレンティンの喘ぎ声だけが響いて、モリーナの声が少しも聞こえなかったのは、きっとモリーナがヴァレンティンを萎えさせることを恐れて我慢した結果なのだろうと思った。ヴァレンティンを導くモリーナの優しい声。「何が起こったのか分からない」とモリーナに背中を向けて呟くヴァレンティンに後ろから恐る恐る回される腕。「次ヴァレンティンがこっち(モリーナ)のベッドに来ることがあればそのときはそのまま死にたい」と嬉しそうに楽しそうに話すモリーナは、このふたりぼっちの狭い部屋の中でヴァレンティンとの幸せな時間と引き換えに、一体どれだけ傷ついたのだろう。朝になって冷静に昨夜の行為を分析しようとするヴァレンティン、とっても最低で可愛いから許しちゃうよね。

モリーナがヴァレンティンの属していた組織とコンタクトをとることを期待して決められたモリーナの出所。モリーナの出所を聞いてまるで自分のことのように喜ぶヴァレンティンだったけど、そのとき彼は既に組織のこと、恋人のことで頭がいっぱいかのように見えた。ヴァレンティンはモリーナに、組織への伝言を頼む。「聞きたくない」「嘘が下手だから」「捕まったらきっと喋ってしまうから」と頑なに拒んだモリーナだけど、ヴァレンティンに「バカにされるな」「人間の尊厳を大切にしろ」と約束させられ、餞別にとせがんだキスをもらい、そのお願いを引き受けてしまう。そしてお願いを引き受けてもらえた際のヴァレンティンの2度目のキス!!!うわ〜狡い男!!!ヴァレンティンの1度目のキスは頼まれたから・餞別だからだし、2度目のキスはお願いを聞き入れてもらえた嬉しさを無邪気(?)に表した結果のキスにしか見えなくて。

モリーナ出所後のふたりは、監房の中で向かい合って、まるで物語を聞かせ合うかのように穏やかに和やかに、明るい光のなかでそれぞれの口から語られた。

ヴァレンティンが語るモリーナの出所後。モリーナがヴァレンティンの属する組織にかけた電話が警察に盗聴されており、モリーナが組織と会う約束を叶えるタイミングで組織に射殺された。モリーナは、もし警察にバレたら自分のことを殺して口封じするようにと組織に伝えていた。モリーナは、まるでヴァレンティンを守るかのように、ヴァレンティンのために人生を終えたのだった。

モリーナが語るヴァレンティンのその後。ヴァレンティンは繰り返し拷問を受け、その中で敗血症になる。拷問を受けて瀕死状態のヴァレンティンはモルヒネを投与され、いつか手紙を送ろうとした恋人の夢を見る。モリーナ出所後のヴァレンティンの中に、モリーナはいなかった。

大倉くんはこの舞台を「ハッピーエンド」と評していた。狭く汚い監房のなかに蜘蛛の巣に絡められたかのように閉じ込められた孤独なふたりだったけれど、その蜘蛛の巣からようやく解放されることが、大倉くんに言わせてみれば幸せなのかもしれない。ふたりの未来を語り合ったのち、モリーナが出所するために開かれた扉の奥は真っ白で明るかった。そこに向かってヴァレンティンに背を向けて歩くモーナと、それを見守るヴァレンティンがいた監房は、追い詰められ、傷つけ合い、必死に孤独を埋め合う地獄のような場所だった。

モリーナがあまりにも可哀想で、けれど体調を崩して体中ボロボロでそれでも自分の信念を必死で貫くかっこいいヴァレンティンの気まぐれな情動を憎むことなどできなくて、なんだかただただ苦しい。ふたりがふたりで幸せになることは、きっとどう頑張ってもできなかったのだろう・そんな道は存在しなかったのだろうと思う。けれどふたりで顔を合わせて食事をするとき、くだらない脱線をしながら映画の話をするとき、傷つけても謝って許して、拒絶と共感を繰り返し重ねて、距離を縮めたふたりが幸せそうに笑顔を見せる瞬間は、狭く汚い監房の中に、確かに存在した。

これ、わたしは女だから・そして大倉くんのことが好きだから(笑)だと思うけど、当たり前のようにモリーナに感情移入してしんどい〜切ない〜って観ていたけれど、これヴァレンティンに感情移入しながら観たらどのように思うのだろう。ヴァレンティンにも本当はモリーナと同じだけの愛があったりするのかな。ないか。

 

 

 

 

 

蜘蛛女のキスの記憶がいちばん新しいから・そしてとにかくこのエモいストーリーがめちゃめちゃツボだからという理由で長々と書いてしまったけれど、3作ともとても大好きな作品になりました!観れてよかった!

 

横山くんははじめてのボイトレ、大倉くんははじめてのストレートプレイ、安田くんは5kgも体重が落ちるほどに必死に向き合った稽古。3人が3人とも大変な挑戦だと思うけど、これをこなした3人が関ジャニ∞に帰ってくるときにはめちゃめちゃ大きな力をつけているんだろうなあと思うと楽しみで仕方ないです。3人とも怪我なく事故なく千秋楽を迎えられますように。お疲れさまでした。頑張ってね。

 

2度目の俺節も楽しみだ〜〜!!!!!